鳥取県木材工業研究会より「鳥取県産材を活用した木造住宅建築の先導的役割と人材育成」の功績で、2015年度「大平記念賞」を受賞しました。

受賞概要

功績の名称

県産材を活用した木造住宅建築の先導的取組と人材育成

功績の概要

音田氏は、山陰の気候風土に合った木造建築の設計・施工に尽力されており、伝統的な建築工法を基本としつつ現代の技術を取り入れて安全性を高めた特色ある家づくりを「和良居の家」と名付け、県西部地区を中心に展開されている。天然乾燥した県産材を建築にふんだんに用い、木材の特性を活かした音田氏の家づくりは、「鳥取県木の住まいづくりコンクール」で最優秀賞を受賞するなど、高い評価を得ている。また県内でスギ三層クロスパネルが生産されるようになると他事業者に先駆けて落とし込み構法に採用するなど、先導的な役割を積極的に果たしてきた。
さらに、「顔の見える木材を使った家づくり」を実現するため、素材生産者、製材所、設計士、建築施工業者をまとめて「地域らしさを生かし建築を通じて文化を発信する会」を組織するとともに、ストックした天然乾燥材の含水率やヤング係数等の品質管理を自ら行うなど、木材の生産・流通・品質管理の改革に取り組まれた。
本業の傍ら、国立米子工業高等専門学校建築学科の生徒や建築分野の若手及び一般の方を対象にした「環境共生型ものづくりデザイン教室」を開催し、森林施業、間伐材を使った作品作りなどの体験を通じて、森林・林業・木材への関心、理解を高める取り組みを十年以上継続されている。さらに、構造見学会の開催、「木の住まいフェア」、「森林を守ろう!山陰ネットワーク会議」、「木の学校」の企画・運営・参加などを精力的に行っているほか、(一社)鳥取県木造住宅推進協議会理事兼西部支部事務局長として支部員に助言・指導を行っており、木造建築の普及啓発、後継者育成、建築・設計業界の技術向上に多大な貢献をされている。 このように音田氏は、県産材を活用した木造建築の先導的取組と人材育成に邁進されており、その功績は極めて大きい。

大平記念賞について

この賞は平成21年、試験中の不慮の事故で亡くなられた大平千恵子氏のご遺族から、故人が生前熱心に取り組まれていた木材工業の発展のために使ってほしいと御寄贈いただいた寄付金を基金として設立した賞で、地域の木材工業の発展に貢献された方々を顕彰するものです。